新世紀の「週末ボランティア」
行事・イベント篇・3

被災者とボランティアによる追悼と考える会2011年週末ボランティア総会
阪神・淡路大震災17年目の週末ボランティアの会2012年週末ボランティア総会エピローグ

被災者とボランティアによる追悼と考える会 (2011.1.8)

この数年来,神戸・週末ボランティアの行事・イベントは,「1.17」を前にして行うことが定着した観があり,しかも1月第2土曜日の新年最初の訪問活動に替えて行うようになってきている。

被災者とボランティアによる追悼と考える会・記念撮影

集会の記念撮影。HAT神戸・脇の浜8番館108号室,倉谷さん宅 (2011.1.8)

2011年もこれを踏襲する形で行われることとなり,2010年末近くになって,東條健司・代表から案内が出された。

被災者とボランティアによる追悼と考える会

2011年1月8日(土)午後2時半〜5時

場所:神戸市中央区脇浜町HAT神戸脇の浜
    8番館108号室 倉谷さん宅

阪神・淡路大震災の被災者とボランティア達が、膝つきあわせて
話し合う会。 どなたでもおいでください.
―――――――――――――――――――――――――――

上記の会を行います。



普段中々忙しくて、週末ボランティアの傾聴ボランティアにおいでになれない方に、年に一度のお誘いを致します。

上のHAT神戸脇の浜の8番館108号室の倉谷さんの家においで下さい。8日の2時30分から始まります。

一緒に行かれる方は午後1時半にいつもの「神戸市勤労会館」の前庭に集まって下さい。そこからHAT神戸脇の浜へ出発します。

手ぶら平服でおいで下さい。被災者の方の声と今の話を、ボランティアの現在の認識と照らして、思う存分話し合おうでは有りませんか。

事前の連絡は必要ではありませんが、お問い合わせは週末ボランティアの東條健司(電話078-734-6544 携帯090-8121-9709)または東部連絡所の倉谷志之武(電話 078-242-0897)まで。

それに応えて,参加者に差し上げるべく資料を準備したが,そこでは以下のように趣旨説明をした。

 阪神淡路大震災から16年が過ぎた今,被災地・被災者をめぐる情況が,その歳月とともに大きく変化していることは言うまでもありません。そうした中で,神戸・週末ボランティアでは,2007年以来,活動の刷新を図ってきました。

 学び役立つというボランティア本来の基本的姿勢を取り戻し,信頼関係を改めて構築し,被災地・被災者と共に歩むべきことに思いを致し,これまでこの地で営々と築かれてきた市民社会を,その主人公たるべき担い手が,主体性を発揮して,さらなるものへと高めてゆく,サポートとパートナーシップをこれからの課題として,ともに展望したいと思います。

参加者はボランティアと住民あわせて16名に,報道陣3名を加えた19名であった。自宅を会場に提供された倉谷さんをはじめ,復興住宅住民5名が参加し,昨年にも参加された方のほか,前日までにメンバーが配布したビラを見て初めて参加されたという方もいた。ボランティアも,神戸:・週末ボランティアが活動を始めた頃からのメンバーのほか,昨2010年から新たに加わったメンバーを加えての顔ぶれとなった。

震災犠牲者に黙祷する参加者震災犠牲者に黙祷する参加者

震災犠牲者に黙祷する参加者 (2011.1.8)

会の始めに,キャンドルの灯りを囲んで,一同で黙祷を捧げた後,自己紹介で交流の契機をつくり,記念撮影につづいて年長のボランティアの音頭で乾杯となった。その後参加者がうち解けるのが早かったのか,記録写真撮影中にワインが1本空いてしまうほどであった。その後,あるボランティア参加者が歌を歌ったりしながら,和やかに新年会らしい雰囲気の中,会は進んでいった。

復興住宅の現状を語る住民の方復興住宅の現状を語る住民の方

復興住宅の現状を語る住民の方 (2011.1.8)

最後に,報道関係者や途中からの参加者を交え記念撮影して閉会となった。

被災者とボランティアによる追悼と考える会・終了時の記念撮影復興住宅の現状を語る住民の方

終了時の記念撮影・同上 (2011.1.8)

この日は「追悼と考える会」の名のように,犠牲者への追悼の意を表すべく真摯な参加者の集まりとなったことにおいて,これまでの取り組みの地平を示すものとなったといえる一方で,現下の復興住宅の住民が置かれている情況について,いくつかの意見や報告がなされたが,これからのボランティアに求められるニーズとしてとらえ,これからの活動の方向性を展望するという点では,疑問の残るものであったといえよう。

毎日新聞;今後も被災者の声に耳を 週末ボランティアが会合この会の模様は翌9日,毎日新聞 (阪神大震災:今後も被災者の声に耳を 週末ボランティアが会合−−神戸 /兵庫)・神戸新聞が報じた。

いずれも会の内実に立ち入ってのものではないが,これまでの訪問活動をふまえ,それとの関連で紹介するというスタンスを取っていることから,訪問活動への一定の評価が定着していることをうかがわせるものであるといえよう。

神戸新聞;復興住宅の課題語る 週末ボランティア 被災者と集いこのほか,産経新聞が,1月6日付で8日、「週末ボランティア」交流会 被災者の生活見守り16年 兵庫と,事実上の予告・案内記事を出していた。

 (2011.1.15)

2011年週末ボランティア総会 (2011.7.9)

数年来,1年に1度,6〜7月という形で定着してきた,神戸・週末ボランティアの総会であるが,活動の資質向上が一定のの成果を見せ,心ある新たな参加者も続き,被災者−市民との信頼関係の構築も進んできたなかにあって,そうした平素の復興住宅訪問活動のありようを反映し,さらなる向上を目指す立場からは,いささか疑問の残るものとなったことを,率直に求めざるを得ない。

今2011年の週末ボランティア総会は,昨年同様,平素の訪問活動と同じ日に,その終了後に行われた。だが,酷暑の中,参加者が取り組んだ訪問活動の成果を共有する,終了ミーティングを行うことなく(訪問活動の集約は別途行った),その分の時間をもって,簡単な食事をもってしたのであった。

こうした形で行われたこと自体,昨年・一昨年と同様で,通常の訪問活動と総会の双方が,短時間で不十分なものとなり,内実以前に,反省・教訓とされていないものといえる。

一方でこれは訪問活動参加者に総会に参加しやすい環境づくりを目指したものといえるが,残念ながら,その効果はほとんどなかった。近来参加するようになったメンバーは,地元紙「神戸新聞」で知ったか,弊サイト・This is 神戸・週末ボランティアmixi コミュニティTwitter - @welove_kobe を通じてかのいずれかがほとんどで,グループの復興住宅訪問活動の資質向上に,早くから多大な貢献をしていながら,その声を活かす機会にできなかったことが残念だ。のみならず,近来の訪問活動の資質や特徴,現状を反映していない総会となったことは,問題といわねばならない。

総会にあたって提出されたのは,東條代表のメモのほか,会計担当者のバランスシート,私の2011年週末ボランティア総会提案(私案)及び関連資料であった。今回も昨年以上の多忙と体調不良のため,直前になって急遽作成したことから,不十分な点が多々あり,提案が問題提起に終わったものも少なくないところは,反省とお詫びをしなければならない。

この1年間の訪問活動が順調に行われたこと,1月8日の被災者とボランティアによる追悼と考える会などに触れた後,会計報告に入り,財政が順調・健全であることが,会計担当者から報告された。昨年1名が健康状態がすぐれず出席できなかった会計監査も2名揃って監査を行った上で,会計を承認しした。

昨年から引き続き復興住宅の借り上げに関する問題に取り組んだとする報告があったが,若干のメンバーが神戸市への請願や住民向け説明会への参加を行ったものの,情報不足にあるというものであった。これについては,別途独自に現状を把握し,対応をする必要があろう。

別途出されている報告があるので見ていこう。

週末ボランティア 第45回総会 (2011・7・9(土))

訪問活動 参加・記録状況

通算回数

回数

参加者数

初参加者

総参加者数

1回当り

総訪問件数

1995〜2004

1回〜382

382

15000

15000

39.2

30000

2005

〜406

24

270

15270

11.3

30757

2006

〜430

24

215

15485

9.0

31171

2007

〜453

23

227

15712

9.9

31681

2008

〜477

24

219

15931

9.1

32195

2009

〜486

9

70

16001

7.8

32376

2009

〜498

12

55

2

16056

4.6

32556 (7/11 43回総会)

2010

〜510

24

88

12

16144

7.3

32736 (7/24 44回総会)

2011

〜533

23

203

23

16347

33096 (7/9 45回総会)

 

議事    (議長 小波本   他10名)

1、訪問活動は44回総会以来順調に行われた。毎回の皆さんの努力の賜です。

2、住宅借り上げの問題が出、昨年の申し出につづき、説明会に積極的に参加。

3、1月8日のボランティア・被災者の交流会にはボランティア・被災者合わせて16名の参加で盛り上がった。

4、3月11日、東日本大震災が起こり、津波により死者22693名(不明込み7/1現在)避難者11万2405人の壊滅的な被害を出した。当団も、16年の積み重ねを生かすべく努力したが、3回延べ15人の現地の援助のほかは、未行動である。今後も神戸週末ボランティアとして、東北へ支援のボランティアとしていける人は、これまでどうりの支援は続ける事に賛否。(賛9、否1)

5、1995/10〜1998/3まで週ボラで活躍していた「週ボラのお父さん」故藤原正也さんが、自らは一言も話さなかった戦時中の事が、去年から今年の春にかけて某社で出版された。省みて、その物凄さに圧倒された。コピー必要な方は、東條まで。

6、会計の報告、カンパ175,000 市県福祉補助48,000 本年支出181,001

7、本年の代表、東條 会計、佐治 会計監査、中林・伊勢崎 が選定された。

8、ボランティア保険は、来年見直す必要がある。

9、インターネット班は現状で行く事に賛否。(賛9、否1)             以上

これは,前述の東條代表のメモに毛が生えたようなものだ。だが中には,上表4・9などのように,「?」と思うことや,日本語として意味をなさないような記述がみられる。以下それについて述べてゆこう。

参加者数の累計における問題は,昨2010年の総会で指摘したとおりであるが,その後実態との誤差が縮小しており,かかる面からも,実際の訪問活動において,参加者・活動の質の向上を果たしてきたことが一定反映されている。もっともそれを没却し,数の問題にすり替える向きも皆無ではなかったが。

また,「東北・週末ボランティア」などと称して東日本大震災の被災地に入ろうとした者が本総会に現れたが,現地避難所において被災者や支援者から拒絶されたことを認めざるを得なかった。

あわせて,「インターネット班」などと称して,ウェブサイトを制作するのみならず,Twitter上で「神戸・週末ボランティアの公式アカウント」や代表個人名を詐称して放言している件についても,前述の一件とほぼ同じ者が関わっているが,それについては,問題性が総会参加者に充分理解されたとは言い難い。

これらについては,主に通常の活動に参加していない者が惹起し,総会の場に現れたことによるに過ぎない。幸いその所業が平素の活動に直接影響を及ぼすものではなかっただけに,平素からの訪問活動の参加者にとって,問題意識や危機感も乏しかったといわねばならない。

3月11日の東日本大震災以降の情勢もふまえつつ,引き続き,阪神淡路大震災の被災地の復興と被災者の生活再建に貢献するべく,傾聴の基本を大切にし,これまでの被災者に寄り添う姿勢をいかに堅持するかが課題であることを,ボランティア団体としてふさわしいものたらしめるべく不退転の決意をもってした原点を想起すべきこととともに,改めて痛感させられた。

(2011.7.22)

阪神・淡路大震災17年目の週末ボランティアの会 (2012.1.14)

今2012年も,神戸・週末ボランティアでは,「1.17」に先立ち,1月の第2土曜日に,復興住宅への訪問活動に替えて行事を行った。

阪神・淡路大震災17年目の週末ボランティアの会・会場風景

会場風景。神戸市勤労会館 (2012.1.14)

これに先立ち,昨2011年の最後の訪問活動後に出された,東條健司代表からの呼び掛けは,

過去の活動を振り返ってこれからの在り方を考えると共に、犠牲になった多くの被災者の霊を慰めたいと思います。ぜひお出で下さいますよう、ご案内を申し上げます。

というものであった。これに応えて,私が資料を準備した。この1年間の神戸・週末ボランティアの復興住宅訪問活動や,阪神淡路大震災の被災地・被災者をめぐる情勢,今年度の集いを開催するに至る経緯については,そこに掲載した趣旨説明を参照していただこう。

 神戸・週末ボランティアは,仮設住宅への訪問活動を始めて以来の通算500回を2010年にむかえたのに続き,2011年11月に,再出発を期して以来の復興住宅訪問活動も100回をむかえ,再生への取り組みが,被災者・復興住宅住民の方々に理解を得て,新たな信頼関係の構築を創り出し,あわせて,これまでにない期待を寄せていただくに至りました。
 改めて,学び役立つというボランティア本来の基本的姿勢を取り戻し,被災地・被災者と共に歩むべきことに思いを致し,これまでこの地で営々と築かれてきた市民社会を,その主人公たるべき担い手が,主体性を発揮して,さらなるものへと高めてゆく,サポートとパートナーシップを,ともに展望したいと思います。

 昨2011年3月11日に発生した東日本大震災は,これまで続けてきた,阪神淡路大震災の被災地復興,被災者支援のあり方を,改めて問い直す契機でもありました。
 東日本大震災の後,その被害の大きさから「息の長い支援」がいわれるようになりました。一方,阪神淡路大震災の復興が達成されたわけでは,決してありません。従来から活動している被災者支援団体の中には,「最後の一人まで…」と,さらなる継続をうったえているところもあります。そうしたところを鑑としつつ,これまでの被災地にあり続けることの意味を,改めて顧みなければならないでしょう。
 こうした中,活動を顧みるにあたっては,「お話し伺い」〜傾聴ボランティアが,被災者・市民に寄り添い,「心のケア」を担うにふさわしい,態度・姿勢・方法をもってしたか否かを,とりわけ厳しく問わねならないでしょう。

 神戸・週末ボランティアでは,阪神淡路大震災が発生した1月17日に先立つ形で年頭行事を行うことが恒例となっていました。この数年は主に,平素から復興住宅訪問活動に,自宅を活動場所に提供してくださるなどの,ご協力を戴いている倉谷志之武さん宅(HAT神戸・脇の浜住宅)をお借りして,新年会を兼ねて,行ってきました。
 今回は,事情により,訪問活動の前後に集合・ミーティングに利用している,神戸市勤労会館で行うことにしました。
 そのため,新年会としては簡素にならざるを得ないほか,従来一緒に集いにご参加いただいていた,復興住宅の住民の皆様方にお運びいただくことが不便になってしまったことを,ご容赦いただきたいと思います。
 そうした中で,東條健司代表の「ボランティアの反省会をやろう」との声に応えて,この1年あまりの歩みをふり返るべく,本資料を作成しました。お役に立てれば幸いです。

会場となった神戸市勤労会館の和室に,午後1時過ぎから三々五々参加者が集まり始め,準備にかかり,協力のもと,2時頃に開会となった。

集会の記念撮影震災犠牲者に黙祷する参加者

集会の記念撮影(左),震災犠牲者に黙祷する参加者(右)

初めに一同で,阪神淡路大震災の犠牲者に黙祷。東遊園地の「1.17 希望の灯り」の分灯を採火したものを囲むことも考えたものの,会場の都合で割愛し,ランタンを囲むだけになったが,阪神淡路大震災の被災者に,改めて心を向ける機会にはなっただろう。続いて年長の参加者の音頭で,新年と言うことで,形ばかりではあるが乾杯した。

この日の参加者は16名であった。昨2011年から阪神淡路大震災関係の報道が少なくなった上,東日本大震災がそれに棹さす形となり,今回は例年のようにマスコミの姿はなかった。また,会場の都合で,訪問活動を通じて交流を持ってきた,被災者−復興住宅住民の参加がなかったことも,例年と異なったところだ。かくして「ボランティアの会」となったわけだが,このところの平素の復興住宅訪問活動に参加しているのは半分程度だ。

参加者各自の自己紹介を順次行い,引き続き討論に入るという次第であったが,自己紹介を一巡させる間にかなりの時間を費やし,ボランティアの趣旨にそぐわない話題や,かみ合わない議論も持ち込まれたことから,そのあたりの区別がなし崩しになっていったところもあった。そうした話題の中には,良くも悪くも,ボランティアのみの会ならではのもので,被災者−住民に接する前に,整理しておくべきものも少なからずあり,そのための機会とするならば,こうした会を持った意義があろう。

いわば,ボランティアの反省会や活動の展望を拓く場としてではなく,ボランティア活動以前の段階ですべきことのための機会という面では,一定の意義があったといえるだろう。かかる次元においての問題提起を,さらなるものにすることが,この場合,最善ではなく至善ではなかっただろうかという評価も出来よう。

ところが,東條代表が,集会当日,「今週の資料 特別号」と称して配布したものの中に,以下のような文言があった。その少なからざる部分に,さまざまな疑問や批判が寄せられた。それ以前に,平素の復興住宅訪問活動への参加者のほとんどすべてにとって,与り知らないところで起こった,異質な,違和感をおぼえるものであるといった方が適切だろう。

 1990年から5年間、月1度の会議を開いていた神戸・地球環境研究会のメンバー約50人は、1995年の阪神・淡路大震災に直面して、一瞬にして、震災支援の「週末ボランティア」に変身した。
 「週末ボランティア」は今でも月2回の土曜日に震災復興住宅の訪問を通して震災に出会った人々のお話を伺い続けている。その回数は2011年の、12月で544回に達し、訪れた訪問軒数は33,330戸、総参加者数は16,432人に上っている。

 去年の2011年3月11日に発生した東日本の大震災は、地震・津波・原発事故の三重苦に出会い、言葉もなく、その翌日の「週末ボランティア」は東北の事で話はもちきりであった。
 気を取りなおして、ともかく東北に出かけたのは4月と5月と6月であった。4月は釜石と大槌の避難所と、翌日には花巻避難所でのお話伺いであった。5月は多賀城と石巻の避難所へお話伺いに、6月には名取の仮設と南三陸の破災地と再び石巻の被災地をおとずれた。
 しかし、回を追うごとに、お話伺いは困難となり、とくに遠方からのボランティアは様々な理由で訪問を諦めざるを得なかった。結局は3回で、時期が来るのを待とうと言う事になった。

 いまでは傾聴ボランティアと言う名前でボランティアを募集し続けている「週末ボランティア」は、“傾聴”をして差し上げる被災者の数はまだ何千人もいるが、“傾聴”をする人数がこの頃はめっきり減っている。17年の昔にボラシティアのチャンスを失った人には今が旬です。
 「週末ボランティア」の資料には“傾聴”とは「重要語を聞き逃さない。その方の言葉で繰り返す。」とある。・・・傾聴は誰にでも出来るのです。
 今後の「週末ボランティア」をどうするのか、それを決めるのは7月の総会で話し合われることであるが、1・17の前に行われるこの会議でそのことが話し合われることも有意義なことである。今日は日頃週末ボランティアに参加している人も、心は週末ボランティアにありながら参加できない人も、また初めて過ボラを知った人も、一緒になって考えてみよう。

寄せられた疑問や批判を挙げればきりがないが,事実関係や認識の如何に関わらず,問題は,ボランティア参加者からの一方的な視点に立った,相手−他者の存在を没却し,それとの関係において社会的実践が成り立つという,前提として当然持つべき認識を欠いた言辞が,これ以外にも,少なからず見られたことであった。

ボランティアと被災者−復興住宅住民を交えての集いではなかったことから,共に手を携えて地域社会を創造するにはいかがかと思われる部分があったことは残念だ。率直に反省し,これからの実際の活動の中で克服したい。

会場風景集会後の記念撮影

会場風景(左),集会後の記念撮影(右)

しかしながら,そうした残念な言辞は,平素の訪問活動や地域に根ざした支援活動に関わり続けている参加者から聞かれることはほ皆無で,かかる面からは,この間の正常化−清浄化,再生の取り組み及び,その中での役立ちと学びの成果が,ハッキリと現れたものであるといっていいだろう。そうしたものを,さらに広げ深めてゆくであろう。

東日本大震災を経て,今なお,復興・再建ならざる被災者が取り残され,歳月と共に新たな問題を抱えつつある,阪神淡路大震災の被災者−復興住宅住民に寄り添い,共に手を携えて,地域社会を創造するパートナーシップを担うにふさわしい者たることが,今まさに改めて求められていよう。

最後に,以前,神戸・週末ボランティアの活動に協力し,現在も地域に根ざした支援活動に関わり続けている参加者が主催するイベント「1.17を忘れない〜カーナ写真展…1日だけのJAZZ喫茶」の紹介をし,途中からの参加者を交え,再び記念撮影して閉会となった。

(2012.1.25)

2012年週末ボランティア総会 (2012.6.23)

2012年週末ボランティア総会この何年か,年に一度7月に行うことが定着していた,神戸・週末ボランティアの総会であるが,今2012年は6月23日に行われた。

2007年以来続けてきた,正常化−正常化,さらには再生への歩み堅持し,宗教や政党など全く関係のない民間のボランティアとして,阪神淡路大震災の被災地にあって,被災者に寄り添うにふさわしい存在たらんとすることはもちろんのこと,昨2011年の東日本大震災以降の情勢にふまえ,今日的課題への対応が追求されることとなった。

今回もまた,通常の復興住宅訪問活動を行う日に,その終了後に行うべく日時を設定したことから,総会に先立って,まずもってこの日の訪問活動の終了ミーティングをきっちりと行うことを提起し,勝ち取った。もちろんそれなりの成果が得られ,それを共有する必要性と意義があることによるものだが,毎回の訪問活動を基礎とし,その資質向上を不断に追求することが,前提であることを示す上で,大切なものであった。

今回の総会にあたって提出されたのは,昨年同様,東條氏のメモのほか,会計担当者のバランスシート,私の2012年週末ボランティア総会提案及び関連資料であった。今回も昨年・一昨年以上の多忙と体調不良のため,直前になって急遽作成したことから,不十分な点が多々あり,提案が問題提起に終わったものも少なくないところは,反省とお詫びをしなければならない。

会計報告は特に問題も異議もないが,取り扱う金額が減少していることから,担当者の負担を考慮し,負担軽減策と監査の簡素化も提案された。

東條氏のメモに関しては,主として昨年出されたものに,約1年分の内容を追加したものであったが,参加者数などに誤りが指摘されたほか,様々な批判がなされ,原案通りの承認を支持するものは誰もいない状態になった。

その中でも囂々たる非難が寄せられたのが,昨2011年,東日本大震災後に「東北・週末ボランティア」を僭称し,東條氏ら(主として通常の参加者とは異なった者)が,宮城県内の被災地の避難所を訪問しようとしたところ,被災者や支援者とトラブルを起こし,活動を拒絶された一件についてだ。これについて,昨2011年の総会に続いて追及するや,現地のボランティアセンターからも拒絶されたことを自己暴露する始末だ。こうした事実を隠蔽し,なおも「ミッション」などと居直る姿勢を,断乎として糾弾した。

これに関しては,ご迷惑をおかけした東日本大震災被災地の被災者・支援者の方々に,深くお詫びするものである。

活動の資質向上については,この1年あまり,地元紙「神戸新聞」のほか,弊サイト・This is 神戸・週末ボランティアmixi コミュニティTwitter - @welove_kobe を通じて,新たに活動に参加してくださった方々から学ぶことが多く,その吸収・消化に努めることが,課題であった。こうした学びの場としての機能強化は,活動の資質向上として,訪問先の住民・被災者の方々に受け入れられるとともに,こうしたものに,被災者の立場から協力を下さる方もいたことに,深く感謝しなければならないところだ。

そうした活動に臨む姿勢の改善には,東日本大震災被災地で一部諸君が迷惑をかけてきたところからも,謙虚に反省し教訓とすべきところでもあったが,これを促すにはいたらなかったことは,不徹底を認めざるをえない。その再発防止だけは確実にしておくべきところだ。

かかるものに付和雷同する「特殊参加者」によって,既に阪神淡路大震災の被災地においても,時代遅れとなり,他の事件・事故や被災地においては,もはや受け入れられないものであることが明らかになったような,今日的にはもはや「心のケア」とは相反するような,悲惨な体験を「吐き出させる」という拙速・乱暴な手法に固執するという偏向がみられたが,かかる歪曲や利用については,実際の訪問活動〜傾聴ボランティアの現場に,いっさい持ち込ませることなく,断乎として斥け,被災者・市民に寄り添うに相応しい存在たるべく,以後毎回の訪問活動において,日々努めることをもって,こたえてきた。

あわせて,「インターネット班」などと称して,およそ社会実践としてのヴォランティア活動に相応しくないウェブサイトやブログを制作してきた諸君についても,昨年にも増して厳しく糾弾した。

そうした中で,もともと少なかった一般参加者が帰るなどしたことから,十分な議論ができなかった一方,かかる問題について広く知られなかったのをいいことに,その後の訪問活動時に,東條氏によって,議論も採決もなされていない内容が,あたかも決定事項であるかのごとく提示されたため,これに抗議すべく,東條氏への代表支持を撤回した。

(2012.7.25)

エピローグ 「阪神・淡路大震災18年目の週末ボランティアの会」の虚像と虚構

宗教や政党など全く関係のない民間のボランティア」との原則をないがしろにし,自らの政治的・党派的利害,或いは,頽廃的享楽のために,神戸・週末ボランティアを利用した者が,その後どうしたか,エピソード的に紹介しよう。

2013年,新たな活動主体となった神戸・週末ボランティア 新生が,まさに新たな場に訪問活動を始めた1月12日,かかる者たちは,なおも一部で「週末ボランティア代表」を僭称する「東條さん」らと騙って「復興住宅の訪問活動を振り返り、今後のあり方を考える」などとうそぶき「18年目の週末ボランティアの会」なるものをでっち上げた。

その際,従前同様の「週末ボランティア」を僭称・詐称してマスコミにリリースしたところ,ある1者が事情・背景を知らないまま記事にしてしまった。例年「1.17」が近付くと,他の支局から応援要員が送り込まれ,震災関連記事を作成することが,今なお多いが,そうした者が「釣られ」てしまったようだ。

この場の顔ぶれたるや,これまでに,オタク行為のために訪問活動への参加を禁止された者,政治的・党派的利用のためにボランティアの仮面をかぶりに来ていた者など,それまでの訪問活動においてすら,それを担うにふさわしくなく,また異質・異様な者が吹きだまり,胡散臭さをストレートに暴露することになった。

さらに度し難いことには,これまでの訪問活動の成果を歪曲し,空疎で矛盾だらけの言説へとつくりかえた上に,借り上げ復興住宅問題に関して,あたかもかかる者自身が取り組んできたかのごとく,欺瞞的な宣伝ならぬ宣伝を行おうとした一方で,とりわけ借り上げ復興住宅において,被災者−住民自身による主体的取り組みから切り離し,請願運動へと切り縮め,翼賛運動へと歪曲し糾合するという背信行為を行ってきたことを,隠蔽したつもりのようだが,一部には見透かされていたようだ。

かかる者とは,決然として袂を分かったことを,今一度明らかにしておく。

(2013.6.23)

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