新世紀の「週末ボランティア」
情報・コミュニケーション篇

新たな情報発信と交流 >
ウェブサイト This is 神戸・週末ボランティアMixiコミュニティTwitter - welove_kobe
既成メディアとのコラボレーション:地元紙&社会福祉協議会Blog
Facebook & Mixi ページその他「役立ちと学びのネットワーク」へ
新たなメディアから地域社会へ
welove_kobe

新たな情報発信と交流

「新しいぶどう酒は、新しい革袋に」と「新約聖書」はたびたび説いている。ボランティア活動を行うグループとしてふさわしい姿を取り戻し,被災者・住民をはじめとした市民との信頼関係を再構築し,成熟した市民社会をともに担う,パートナーシップを取り結ぶためには,それにふさわしい情報発信と交流が必要だ。またあわせて,これまでの活動から得たもの,学んだものを活し,心ある人たちと共有するしくみを構築することも必要だ。

ウェブサイト This is 神戸・週末ボランティア

このウェブサイトThis is 神戸・週末ボランティアは,「阪神淡路大震災の被災地・神戸で今なお復興住宅への訪問活動を続けているグループの記録とレポート」を趣旨のもと,2008年7月開設した。それまで個人サイトHARA Hideki's Roomにおいて公開してきた,神戸・週末ボランティアに関して,私が個人としての取り組みを通して,その活動を記録し,資料を収集して制作したコンテンツを再編して制作するところから出発した。程なくこのサイトはYahoo! JAPANカテゴリ登録された。以後随時更新・追加している。

あわせてこのウェブサイト は,それに先だって始められていた,正常化−清浄化,さらには再生への取り組みを牽引することと,同時期に失われつつあった,グループの活動に関する旧い資料の保存も,将来の活動のためにフィードバックさせるべく,重要な責務となった。 Mixiコミュニティ「This is 神戸・週末ボランティア」

そうした中,このウェブサイトを見て関心を持った方が,訪問活動に参加するようになったことから,従来の記録とレポートに加え,活動の案内交流の場としての役割をも備えた情報発信のあり方を目指すこととした。

Mixiコミュニティ

2000年代後半以来のソーシャル・ネットワーキング・サービス(Social Networking Service, SNS)の躍進は著しい。日本におけるSNSの最大手はMixiだ。2010年11月からtwitterアカウントと相前後して,This is 神戸・週末ボランティアのコミュニティの運営を開始した。

当コミュニティー開始以来,これを通じて関心を持ち参加する方が続き,早くもマスコミの注目するところとなった。(若者にも被災者支援の輪 神戸市民グループ 「週末ボランティア」 2010/11/28 産経新聞)

2010/11/28 産経新聞神戸版; 若者にも被災者支援の輪 神戸市民グループ 「週末ボランティア」

SNSの特徴は,個々の加入者のプロフィールなどからその人となりが解ることで,加入者が集うコミュニティーもまた然りとなる。もちろんそうした安心感・信頼性を維持するためには,コミュニティの運営のあり方が問われるが,これまたそれまでの教訓を生かす場とした。

SNSやそのコミュニティーを通じて,情報やノウハウの交換の場としたり,それを通じた交流の場とすることが望ましいと考えて,ウェブサイトの更新情報を出したり,掲示板的役割を担うこととあわせて,「役立ちと学びのネットワーク」として運営することとした。

Twitter - welove_kobe

twitter 「welove_kobe」

2010年,急激な勢いで普及したのがtwitterだ。「つぶやき」・「簡易ブログ」といわれることもあるが,簡便さの一方で,140字が入力限度であるなど,その機能にも大きな制約があるにもかかわらず,燎原の火の如く広がった。

これにより,ウェブを通じた情報へアクセスするスタイルも大きく変わり,2011年2月のチュニジア・エジプト情勢にもその一端が示されるように,社会の変革をももたらすうねりを創り出すにいたったことは,既に周知のことであろう。

SNSを通じての初参加者と取材する新聞記者とともに訪問活動そこで2010年11月から,このウェブサイト およびmixiコミュニティーに併設する形でtwitterアカウント「welove_kobe」の運用を始めた。「神戸の街を楽しく、人々を元気にする、さまざまな話題について語り合いましょう」との趣旨のもと,阪神淡路大震災の被災地を中心とした地域に根ざした交流を新たに創り出し,その中から,問題提起を行い,あるべき地域社会像をともに模索することを目指している。

また,ウェブサイトの更新情報や活動の案内なども随時出している。

SNSを通じての初参加者と取材する新聞記者とともに倉谷さんを囲んで

SNSを通じての初参加者と取材する新聞記者とともに訪問活動(右上),
終了ミーティング(右下),同じく倉谷さんを囲んで (2010.11.27)


若者にも被災者支援の輪 神戸市民グループ「週末ボランティア」

 ■SNS通じ初参加、住宅訪問

 阪神大震災の直後から被災者との対話を続けている神戸市の市民グループ「週末ボランティア」(東條健司代表)が今月から、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)やツイッターによる情報発信を始めた。27日には、SNSで活動を知った大学生が初めて参加し、神戸市中央区のHAT神戸・脇の浜住宅を訪問。若者にも被災者支援の輪を広げる兆しが見え始めた。
 グループが活動を始めたのは、震災半年後の平成7年6月。仮設住宅や復興住宅を訪問して顔を見ながら震災体験や近況を聴き、高齢化・独居化が進む被災者らを見守ってきた。延べ約1万6千人を超えるボランティアが、約3万2千850戸を訪問したという。
 当初は1回の活動に数十人のボランティアが集まったが、最近の活動では4〜5人程度に減少し、メンバーの高齢化も進んだ。グループは「より多くのボランティアに参加してもらい、活動を継続していきたい」として今月からSNSやツイッターを利用した呼びかけをはじめた。
 この日はSNSの「ミクシィ」を通じて応募した関西大4回生の足立麻里絵さん(22)が初めて参加し、15戸を訪問。震災体験の聞き取りができたのはわずか1戸にとどまったが、東條代表は「ドアを開けて話してくれる人がいる限り、訪問を続けていくことが大事」と話す。
 足立さんは神戸市東灘区で被災したが、幼かったために当時の記憶はほとんどないという。終了後、「被災者の方の話を聞くことができてよかった。自分も神戸の人間として、震災のことを伝えられるようになりたい」と話していた。  

産経新聞 神戸 2010年11月28日(日)

既成メディアとのコラボレーション:地元紙&社会福祉協議会

これまで活動の紹介や参加案内は,地元紙「神戸新聞」などの新聞への掲載によって,クオリティと信頼性が維持されてきていた。webを通じた情報発信の効果も,現実の活動との関連で,地元での評価が重要だ。

twitterやMixiコミュニティーにやや遅れて,神戸市社会福祉協議会ラブ・リング こうべ・ボランティア情報センターでもボランティア募集が掲載された。

これもまた被災者・住民をはじめとした市民との信頼関係の構築がその大前提だ。その浸透を見るにいたったことを示している。

これからは,その地平にふまえて,実際の活動においても,web上においても,意見や情報を交換し,ともに手を携えていける関係を構築し,そのクオリティーアップを不断に追求し,あわせてその輪を広げていくことを展望したい。

(2011.2.9)

Blog - This is 神戸・週末ボランティア

これまでウェブサイトのNews and Reportsに掲載してきたものをBlog - This is 神戸・週末ボランティアで掲載することにした。制作及び訂補が容易であり,携帯への自動変換がなされるため,アクセシビリティの向上にもつながる。従来のページもバックアップと検索の便のために,当面併用する。

Facebook & Mixi ページ - This is 神戸・週末ボランティア

世界的に大きな影響をもっているSNSはなんと言ってもFacebookだ。先のチュニジア・エジプトの激動も主にこれによってもたらされた(もちろん当局・権力者側からの反撃・対策も進んだが)。現在,Facebook - This is 神戸・週末ボランティアTwitter - welove_kobeのバックアップに利用している(ただしこちらは対象を精選し,全部についてはtwilog - welove_kobeにて)。

8月31日に運用開始となったMixi ページでも即日Mixi ページ - This is 神戸・週末ボランティアを開設した。

その他

また,別サイトで設置されていた掲示板について,その内容を週末ボランティア掲示板 アーカイブズ【過去ログ】で蒐集・保存してきたが,廃止に伴い,弊サイトに附属するThis is 神戸・週末ボランティア 掲示板を開設した。

「役立ちと学びのネットワーク」へ

SNSを通じての初参加者とともにただいたずらにメディアの種類を増やしただけでは維持する手間がかかるだけだ。これらの有機的連関が求められる。相互の人となりが解る安心感から信頼性が高まるSNSの特徴と,簡便さを特徴とするTwitterの連関については,ご覧戴くすべての方々,フォロワーの皆さんのおかげであることに,深く感謝しなければならない。こうした戴いたご縁から,これまでの被災地・被災者をはじめとして,広範に,新たな認識・理解・交流が生まれるきっかけになっており,そこから「役立ちと学びのネットワーク」がつくられていく。

神戸・週末ボランティアでは,ながく仮設住宅〜復興住宅への訪問活動を続けていたが,活動に「お話し伺い」を掲げながらも,傾聴のあるべき方法や姿勢,さらには関連して,「心のケア」やカウンセリングといった方面でのスキルや専門的知識を持った人材を積極的に求め,こうした方から学ぼうという姿勢が不足していたことを,率直に求めなければならない。

被災者・市民との信頼関係の構築や活動の資質向上を求めるに当たって,そうしたことが不可欠であることを悟り,弊サイトやコミュニティを通じて,積年の課題と取り組むこととした。

そうしたところから,傾聴,心のケア,カウンセリングといったことに関心が高い,かかる分野の学習者・経験者の参加も増えた。ともに参加しながら,学ばせてもらっている。そうして学んだメンバーが,グループの活動にとどまらず,さまざまな方面でもそれを発揮してくれるようになってゆく。

こうした輪こそが「役立ちと学のネットワーク」の本分である。それが広がってゆくことが,何よりありがたい。

(2011.8.25,31)

新たなメディアから地域社会へ

Twitter - welove_kobe を通じての初参加者とともに

Twitter - welove_kobe を通じての初参加者とともに (2011.6.11)

This is 神戸・週末ボランティアでは,このように,ウェブサイトに加え,SNSのMixiにコミュニティを開設するなど,新たなメディアを展開した。お互いの人となりをある程度知ることが出来る安心感・信頼感から,広い年代層,地域の人々に,広がり深まり,これを通して新たな参加者も続いている。地域社会への浸透活動の資質向上が進んだことが,何よりの成果である。

Twitterも質の高い情報発信・交換を実現した。3月11日の東日本大震災発生以後は,新たな被災地・被災者への支援活動に関わる方との交流も創り出し,互恵的な情報交換や資質向上をもたらした。

SNSを通じての初参加者を笑顔でフォローする常連参加者新たな参加者から多くを学び資質向上を実現

SNSを通じての初参加者を笑顔でフォローする常連参加者 (左,2010.11.27),
新たな参加者から多くを学び資質向上を実現 (右,2011.6.11)

そうして来られた新たな参加者から学ぶことは多い。仲間として温かく迎えるとともに,の礼を尽くすことも必要だ。そうした謙虚さと柔軟さが,グループの資質向上をもたらす。こうして「役立ちと学びのネットワーク」を広げ深めていく。

(2012.2.22)

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