「ちょっとカー」レポート


「ちょっとカー」が走るベルデ名谷 (2003.3.22) とその経路となっている急坂 (2002.12.28)

「ちょっとカー」は,「神戸・週末ボランティア」が従来の訪問活動とは別に,復興住宅・ベルデ名谷の前のバス通りから高いところにある棟(1〜4番館)の間を,ヴォランティアが自家用車を利用して,移動をサポートするものだ。移動距離は350mと短いが,その全行程は住民の外出意欲を削いでいる急坂だ。2002年の夏に試験運行し,10月からは毎平日の11〜14時に運行している。


「ちょっとカー」を報道するマスコミ;左)『産経リビング』神戸面, 中)『毎日新聞』02.12.14。
右)「ちょっとカーニュース」第2号第5号(クリックすればpdfで実物が見られます)。

「ちょっとカー」の本格運行は,103件の応募中16位で採用された,神戸市の「パートナーシップ活動助成金」で経費を賄うめどがついたため,実現した。1月8日現在で乗客数累計は延べ2279名に。お正月には子供たちに風船を配った。また「ちょっとカーニュース」を出して情宣につとめている。

バス停前での「ちょっとカー」とベルデ名谷 (2003.1.17)

垂水東口〜名谷間を結ぶバスが通っているが,最寄りのバス停・神和台口(新道)からベルデ名谷へは急坂となっている。毎日のこととなれば住民誰しもたいへんなものだ。神戸が坂の多い街だからといって,行政も積極的に対策をしようとしない。

「ちょっとカー」を利用するしないに関わらず,通ってゆくすべての住民の方に挨拶し,「行ってらっしゃい」・「お気をつけて」などと明るい笑顔で声をかける。こうしたコミュニケーションが,住民への定着のみならず,新たなニーズの発掘へとつながってゆく。 (2003.2.3)


広告をつけた「ちょっとカー」 (2003.4.7)


メンバー&スポンサー第1号と一緒に記念撮影 (2003.4.7)

運行の経費に充てていた神戸市からの助成金が3月までであったため,4月以降はこれを改めて申請するとともに,広告収入で経費を賄うこととした。ベルデ名谷近くのいくつかの商店などがスポンサーになってくれた。スポンサー第1号となった最寄りのマクドナルド 垂水名谷店では,車体および「ちょっとカーニュース」への広告にあわせ,高齢者向けサービスを企画準備中とのこと。 (2003.4.17)

「神戸・週末ボランティア」では,「ちょっとカー」存続のため,神戸市にたいして助成継続を求める署名を集めるなどの取り組みを行ったが,地域の中で継続・維持するシステムを構築する方が,長期的にみても他地域への拡充をはかるうえてもすぐれていると認識するにいたり,その存続を地域の課題として訴えることにした。

そこで6月5日(木),地元関係者(神戸市・自治会・病院・福祉団体・ボランティア)と集まりをもち,状況の説明を行うとともに,出された意見などをうけて,8月からは,地域の「しあわせ家族」・「名谷病院」などの新たな支援のもとで,継続する新体制が確立した。 (2003.8.13)




新体制のもとで運行を続ける「ちょっとカー」 (2003.8.25, 28)

(上)広告も健在。これにあわせた新サーヴィスを始めたところも。8月からは「しあわせ家族」(左)が週4回,「名谷病院」(右)が週1回それぞれ担当している。

試験運行から満1年となった2003年8月,「ちょっとカー」は,地元で福祉サーヴィス事業を営む「しあわせ家族」と,ベルデ名谷入口近くで近年他の医療法人に代わって病院を運営するようになった「名谷病院」から,車両とドライバーの提供を受け,週末ボランティアはそれをサポートする形になった。こうして試行運転から1年,「ちょっとカー」は地域コミュニティーに根をおろした。 (2003.9.3)

坂道350メートルの送迎サービス 神戸・垂水」 2002/08/17 神戸新聞

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